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第4章

杀意的定时炸弹北阿尔卑斯涸沢山杀人事件(日文版)-第4章


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「奥さん、今回の山行きはご主人お一人で行かれたんですか? それとも、深山さんもご一緒されていたんですか?」
「主人は土日を挟む10月9日、金曜日と、12日、月曜日の2日間、深山さんと一緒に有給休暇を取って、一緒に前夜出発する筈だったんです。でも、8日の夜、主人が家(うち)を出た後、暫くして深山さんから電話が入りまして???」
「深山さんは電話で何と?」
「土曜日が期限の仕事がどうしても片付いていないので、明日は出勤する事になった。だから、主人と一緒に山へは行けなくなったと」
「で、ご主人はどうされたんですか?」
「深山さんの方から主人に電話をしたそうなんですが、主人は深山さんに、それじゃ今回は自分一人で行ってくると言っていたとの事でした」
「では、奥さんは深山さんからの電話の後、ご主人に電話を掛けていない訳ですか?」
「いいえ、私からは電話しませんでしたが、主人からは掛かってきました」

 雪悾卧挙扦稀⑺{沢は電話の中で、10月8日、木曜日、午後9時新宿発のJR特急ス雪‘あずさに仱辍ⅳ饯我工纤杀抉k近くのホテルに宿泊。9日、午前6時半過ぎ、松本発新島々(しんしましま)行きの松本電鉄上高地線の始発電車に仱辍⑿聧u々駅からは上高地行きのバスに仱険Qえて入山すると伝えて来たそうだ。

 耍麤gは10月9日、実際に上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に登山届を出している。つまり、耍麤gは雪悾嗽挙筏客à辘涡袆婴驋瘠盲渴陇摔胜搿9日に登山届を出し涸沢小屋に宿泊。10日に北罚Ц咝∥荬怂薏搐贰⒁11日に涸沢岳で滑落と言うのは確かに辻褄(つじつま)としては合っている。警察で無くても、これでは疑念を挟(はさ)み込む余地等無い。しかし、それでもやはり引っかかるのは、涸沢小屋と北罚Ц咝∥荬嗡迬い瞬肖丹欷皮い坷喂P跡だ。どこかに俺が見落としている点は無いのだろうか? それとも、やはり俺の単なる思い過ごしなのだろうか?

 俺は子供が帰って来たのと入れ摺い恕⑺{沢の自宅をあとにした。耍麤gの息子は小学校に上がったばかりのようだ。まだ、父親の死をよく理解出来ていないのか、母親のように表情に暗さは見られない。それにしても、まだ35才だった一家の大蛲蝗皇Гぁ⒍摔巧皮い亭肖胜椁胜に{沢母子(おやこ)の事を考えると思いは眩jだ。耍麤gの死が事故だったにせよ、事件に巻き込まれたものだったにせよ、一日も早く真相を明らかにしたい。そう思わずにはいられなかった。
6章 浮かび上がったキ铹‘ド

美と健康サロン YOSHINO
山梨県富士吉田市のアットホ啶圣ē攻匹匹%氓骏单恁螭扦埂
yoshino…salon@venus。san。ne。jp
富士急行線 寿駅近く
電話 090…2537…3405
(不定休?要予約) 
 
 西眨捡kへと戻る途中、ふと気になる事を思い出し、俺は再び木村未来に電話を掛けた。

「あ、未来さん?」
「漢波羅さん、今、『木村』さんじゃなく『未来』さんって言ってくれましたね」
「エッ、そうだった?」
「未来さんって言いましたよ。嬉しいなあ???」

 俺は無意識の内に、彼女の事を名前で呼んでいたようだ。

「さっきまで、耍麤gさんのご自宅にお邪魔して奥さんから色々と話を伺っていたんだ」
「で、漢波羅さんが何を眨伽皮い毪韦现椁胜い堡欷伞⒑韦珔Х偆悉ⅳ辘蓼筏浚俊


 これだけ、色々と嗅(か)ぎ回っていれば、たとえ彼女で無くても薄々とは勘付くだろう。

「実は又、木村???いや、未来さんに眨伽朴筏な陇ⅳ毪螭馈

 俺は彼女を「木村」と言い掛けたが、直(す)ぐ「未来」と呼び直した。

「響資(きょうすけ)さんの頼みなら、何だって聞きますよ! でも、電話で無く直接会ってお話ししたいなあ???」

 今度は彼女の方が、俺を名前で呼んできた。

「今、まだ眨激摔い啤ⅳ长欷樾滤蓼貞胨胜螭坤瑁浚浚俊
「それじゃ、私も新宿へ出ますから、どこかで食事でもしながら、お話ししましょ?」
「分かった。そうだなあ???それじゃ、新宿駅西口のスバルビル前で待ち合わせして、そこの地下にある『スンガリ护盲蒲预Ε恁伐⒘侠淼辘鞘呈陇工毪韦悉嗓Γ俊
「響資さんと一緒なら、どこでだって良いですよ」
「じゃ、話は決まった。それじゃ、後(あと)で???」

 30分後、俺と彼女は新宿駅前の喧噪(けんそう)を避けるかのように「スンガリ工丐热毪盲皮い盲俊

「二夜連続でご馳走して頂いて、すみません。でも、このお店、とっても雰囲気良いですね」
「だろう? それでね、ロシア料理って言うと『ボルシチ』ス驻ǚ胜螭坤堡伞ⅳ长长巍亥弗悭毳偿ǎ骏ぅ海骏隶悭辚悌‘チヌイ』って言う仔牛肉のロ攻趣帧⒚牢钉筏皮汀W⑽膜习长巳韦护皮猡椁盲皮いい剩俊
「はい」

 料理が撙肖欷皮毪蓼扦伍g、俺は彼女に深山の自宅前で出会った男性、耍麤gの妻、雪悾趣卧挙文谌荬驋à─ふà膜蓿─螭窃挙筏俊

「エ俊∷{沢課長と深山係長が二人で山登りしていたんですか?」
「そうなんだよ」
「でも、あの二人、社内では仕事の話以外した事無かったんですよ」
「じゃあ、二人が山登りしていた事は誰も知らなかったって訳?」
「それはそうですよ。私だって響資さんから聞いて今初めて知ったんですから」
「みんなに知られたくなかったのかな?」
「どうしてですか?」
「テニスやサ榨%螭冗‘って、山登りって、どうしても派手さに欠けるじゃない? 地味でダサイって思われるのが恥ずかしかったのかな?」
「そんな事無いと思いますよ。だって、私の友達でも週末に高尾山や丹沢へ登っている子がいるけど、全然隠してなんかいませんよ。隠すどころか、逆に『未来もどう? 一緒に?』なんて誘ってくるくらいだし」

 確かに恥ずかしがったり、隠す必要があるようには思えない。今や、老若男女(ろうにゃくなんにょ)を問わず、登山やハイキングは一大ブ啶胜韦坤椤¥扦稀ⅳ胜螭撬{沢と深山は山登りしている事を社内では隠していたのだろう?

 俺は撙肖欷皮课拢àⅳ郡浚─ぅ堀毳伐沥蜞ǎà工梗─辘胜椤⒈绢}に入った。

「未来さん、毎度々々で申し訳ないんだけど、又、教えて欲しい事があるんだ」
「はいはい、今度は何でしょうか? ご主人様」
「耍麤gさんの奥さんの話だと、耍麤gさんと深山さんが、土日を挟んで、10月9日、金曜日と12日、月曜日の2日間、有給休暇を取ったらしいんだけど、深山さんだけ土曜日が期限の仕事が終わっていなかったとかで、9日の有給休暇は取り消して出勤したって言うんだ。確認してもらえないかな?」
「いいですよ。そんな事ならお安い御用です」

 彼女は早速、どこかへと電話を掛けた。

「会社の子に確認したら、確かに深山係長、9日は出勤していたそうですよ。それと、12日も」
「と言う事は、深山さんは10日、土曜日と11日、日曜日の2日間、普通に週末を休んだだけって事?」
「そう言う事になりますね」
「それじゃ、耍麤gさんの方はどうだったの?」
「耍麤g課長は予定通り、9日と12日に有給休暇を取っていますね」
「そう???」

 雪悾槁劋い吭挙瓮à辘坤盲俊I钌饯人{沢との関係と言い、山登りの話と言い、俺の深山に対する疑念は益々深まるばかりなのだが、深まれば深まる程、逆に深山を疑念から遠ざける材料も出てくる。これでは、八方塞(ふさ)がりもいい所だ。

 俺にはもう一つ疑問があった。広告代理店大手「帝通」の課長だった深山が何故、中途退職し、帝通とは規模で比べものにならない程小さなヌ佶毳些‘グにわざわざ入社したのかと言う事だ。ヌ佶毳些‘グには、将来の幹部ポストを深山が擲(なげう)ってでも入社したいと思わせる何かがあったのだろうか?

「それともう一つ知りたいんだけど、いいかな?」
「何ですか?」
「深山さんが入社する以前、ヌ佶毳些‘グに何か事件とか、特別な事って無かった?」
「事件? 特別な事?」
「うん。何がどうのって俺自身、今思い浮かぶ訳じゃ無いんだけど???何か無かったかな? 何でもいいんだ。ほんの些細(ささい)な事でも???」
「う螅浚浚俊

 急にこんな伲鼏枻颏丹欷皮狻⒘魇酥堡按黏à椁欷牍Qが無い。それでも、彼女は明日出社したら、それとは無しに眨伽皮撙毪燃s束した。何でも、「生き字引(じびき)」と渾名(あだな)されるお局(つぼね)様がいるそうで、その彼女に聞けば、社内の事なら大抵の事は分かると言う。まあ、どこの会社にも一人や二人は情報通の女子社員はいるものだ。今はその彼女の情報力に期待するしか無い。

 10月17日、土曜日、午後2時── 。

 俺は再び、新宿区河田町へと足を撙螭馈I钌饯渭窑吻挨浅龌幛盲勘摔问陇蛄激毪ⅳ纬趵夏行预嘶幛椁扦ⅳ搿P窑ぁ⒛敬逦蠢搐椁芜B絡で、今日、深山は休日出勤していると言う。

 俺は深山の家の前で男性が現れるのを待った。すると、30分程して昨日の男性が現れた。今日は柴犬を連れている。どうやら、飼い犬の散歩帰りのようだ。

「昨日はどうも」
「おぉ、君か。今日は又、どうしたんだい? 土曜日だって言うのに、明夫ちゃんは会社へ出掛けたよ」
「いえ、今日はおじさんに会いに来ました」
「俺に?」
「はい。是非伺いたい事があったものですから」
「何を聞きたいんだい?」
「昨日のお話に出てきた深山さんの妹さん、節子さんて言いましたっけ? その節子さんの事なんですが」
「せっちゃんの事?」
「はい。節子さんが自殺する以前、何か仕事をなさっていましたか?」
「せっちゃんは広告代理店に勤めていたよ」
「その会社の名前は憶えておいでですか?」
「何て言ったかな? 横文字だったんだよ。確か、ヌ浚浚俊
「ひょっとして、『ヌ佶毳些‘グ』って言いませんでしたか?」
「そうそう、そんな名前だったな」

 やはり、そうか。夕べ、木村未来と別れてから独りで考えていたのだが、深山は妹の自殺を境に性格が一変している。とすると、鍵は自殺した妹にあるのでは無いか?と俺は考えたのだ。

「せっちゃんはね、大学卒業後、デザイン会社に入社したんだけど、康隆君との結婚を機に転職してね。そのヌ浚浚俊
「ヌ佶毳些‘グです」
「そう、そのヌ佶毳些‘グって会社に再就職してね」
「やはり、そうでしたか」
「まさか、せっちゃん、会社でいじめにあって自殺したんじゃ無いだろうね?」
「さあ、それは何とも???」
「あ!」
「どうされたんですか?」
「そう言やぁ、ヌ佶毳些‘グって、明夫ちゃんが今勤めてる会社じゃなかった?」
「そうですが?」
「まさか、明夫ちゃん、せっちゃんの自殺原因を眨伽霝椁恕ⅳ铯钉铯盾灺殼筏郡螭袱銦oいだろうね?」

 男性の話はもっともだ。そう考えると辻褄も合う。だが、そうだったとして、深山が耍麤gに接近した理由(わけ)は何なのだろう? 耍麤gが深山の妹を自殺に追い込んだとでも言うのだろうか?

 そんな想像を頭の中で巡らせていた時、突然、携帯電話が鳴った。見ると木村未来からだ。

「もしもし」
「響資さん? 未来です」
「何か分かった?」
「深山係長が入社する以前の話なんですけど???今から六年前、会社(うち)の女子社員が一人自殺しているんですよ」
「その自殺した女子社員の名前って、ひょっとして『北村節子』じゃない?」
「どうして知っているんですか?」
「実は、今も深山さんの家の前に来ているんだけど、深山さんの事をよく知る人と話していたら、その名前が出てきてね」
「北村節子さんって誰なんですか? 私はその人が自殺した一年後に入社したから、知らないんですよ」
「実はね、北村節子さんは結婚して『北村』姓になったんだけど、旧姓は『深山』だったんだよ」
「と言う事は???エッ、まさか?」
「そう、そのまさかなんだよ。自殺した北村節子さんは、深山さんの実の妹だったんだよ」
「つまり、深山係長は自殺した妹さんの勤めていた会社に転職して来たって言う事ですか?」
「そう言う事になるね。ところで、深山さんの妹さんが自殺した原因なんだけど、社内で彼女に対するいじめとか無かったのかな?」
「その事も聞いてみたんですよ、『生き字引』さんに」
「で、どうだった?」
「それが、いじめなんて無かったって言うんです」
「???」
「北村節子さんは優しくて、気立ても良くて、仕事ぶりも真面目だったそうで、誰からも慕(した)われていたって言うんです。だから、いじめを受ける理由なんか無かったって。『生き字引』さんも含め、当時の社員は、なんで北村節子さんが自殺したのか丸きり見当(けんとう)が付かなかったって言うんですよ」

 社内で北村節子をいじめていた人間は一人もいなかった。だとすると、彼女の自殺の原因は一体何だったのだろう? それと、深山が耍麤gに接近した理由(わけ)とどう関係があるのだろう?

「話が飛ぶけど、当時、耍麤gさんはどうだったの?」
「耍麤g課長ですか?」
「例えば、耍麤gさんが北村節子さんを陰で、いじめていたなんて事は無かったの?」
「いいえ。耍麤g課長は北村節子さんをいじめていたどころか、逆に可愛がっていたそうですよ」
「可愛がっていた?」
「ええ。『俺にもこんな妹がいたらなあ???』って言っていたそうです」
「そう???」

 又もや、分からなくなってしまった。深山が帝通を辞めて、ヌ佶毳些‘グに転職した理由は、十中八九、妹の自殺に関係があるのだろう。だが、北村節子は社内でいじめを受けて等いなかった。それに、深山が接近した耍麤gも、北村節子を可愛がっていたと言う。自分の妹が自殺したとは言え、その妹を可愛がってくれていた人間に何かしよう等と普通考えるだろうか? それとも、耍麤gに対する深山の思いは一方的な逆恨(さかうら)み的なものなのだろうか?
第7章 尽à郅长恚─邮激幛康巧接嫽ē抓楗螅

 初老男性と別れた俺は、バス停への帰り道、今までに眨伽品证盲渴陇颉ⅳ猡σ欢阮^の中で整理した。

 10月11日、日曜日、涸沢岳沢の斜面で耍麤g俊英の滑落遺体が発見された。彼は土日の前後各1日、有給休暇を取り、7日、木曜日、午後9時新宿発松本行きのJR特急ス雪‘あずさに仱贽zんだ。その晩は松本駅近くのホテルに宿泊し、9日、金曜日、午前6時半過ぎの松本発新島々(しんしましま)行き松本電鉄上高地線始発電車に佨嚒P聧u々駅からはバスに仱険Qえ上高地に入っている。

 上高地では自ら書いた登山届をインフォメ伐绁螗互螗咯‘に出し、その晩は涸沢小屋に、翌10日は北罚Ц咝∥荬怂薏矗浚浚郡い洹g際には「宿泊した」事になっている、と言った方が正しい。何故なら、二つの小屋の宿帳に残されていた「耍麤g俊英」の筆跡が彼自身のもので無い可能性が高いからだ。

 一方、耍麤gの勤めていた会社、ヌ佶毳些‘グで出会った深山明夫。彼は見た所、耍麤gの事を快く思ってはいなかったようなのだが、その深山が耍麤gの自宅をわざわざ訪ね、彼に山の魅力を語り、その後、年に3回も一緒に山へ登っていたと言う事実。それでいて、社内の人間は誰一人として二人が山登りしている事を知らなかった???

 更に分かった事は、深山には4歳年下の妹、北村節子がおり、ヌ佶毳些‘グの社員だった事。その彼女は理由は分からないが、6年前、自らの命を絶ち、それを境に、深山の性格が一変。将来の幹部候補と目(もく)されていた深山は広告代理店大手の帝通を中途退職し、嘗(かつ)て妹が勤めていたヌ佶毳些‘グへと転職してきた???

 俺は耍麤gに接近し、耍麤gと今回の山行きを約束してた深山に疑いの目を向けているのだが、あいにくと彼には耍麤gが上高地入りした9日の「アリバイ」がある。当初、耍麤gと共に土日の前後各1日、有給休暇を取っていながら、出発日の8日夜になって仕事を理由に有給休暇をキャンセル。土日の2日間しか休んでない。耍麤gの山行きに同行し、彼に危害を加えた可能性は万分の一も無い。正にお手上げ状態だ。それでも、深山を疑うのであれば、彼のアリバイを突き崩すしか無い。しかし、どうしたら突き崩せるのか? 俺がまだ気付いてないトリックでもあるのだろうか? 俺は耍麤gの足跡を追って、信州松本へと行く事を決めた。現地へ行けば、今まで見えていなかったものが見えてくるかも知れない。そう思ったからだ。

 
JR松本駅 
 10月18日、日曜日、午前10時40分── 。

 俺は松本駅に降り立った。松本は長野

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